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生かされている、ということ

投稿日時:2011/11/22(火) 09:24rss

千年続く 会社をめざそう㉓
■ 生かされている、ということ■
 
 
先日、ある方から、
「百発百中って、実際にありえると思いますか?」
と問われました。

「難しいでしょうね」と答えた私にその方は、
「実はあり得るんです」と微笑みながら、
その秘訣を教えてくださいました。それは……
 
「弓を射ってから、的を描けばいいんです」
 
狐につままれたような気分になりましたが、たしかにそれなら百発百中。
でも何だか釈然としませんね。
 
その方は、私の心を見透かしたように、次のように続けられました。
 
「人生も本来、百発百中なんですよ」
 
「当初自分が目指しているものがあるとしますね。ところがその通りには
いかなかった。でも必ずそこから学ぶことがあるものです」
 
「それが分かった人にとっては、実はそちらの方が本来の的だった」
 
「それを手に入れるために当初目指していたものがあり、そして必然に失
敗した。だから学べた。ということは、その失敗は本当に手に入れるべき
ものを手に入れるための失敗であって目に見えないものが指示した真の的
だった、ということなんです」
 
「自力のみで生きている人はここに気づくことができません。失敗は失敗
でしかない。そういう人は、結局失敗からは何も学べず、あの時、ああし
ておけばよかった、こうしておけばよかったと、後悔しか残らない。悲し
いですね」
 
たしかにその通りです。
大事なのは、他力で生きていることに気づくこと。
よく考えれば、この心臓も、この肺も、この胃腸も、どれも
私の意思通りに動いているものはありません。
勝手に動いてくれています。要するに自分の体でさえも他力。
 
他力で生かされていることに気づいた時、
人はあらゆることから学ぶことができるようになります。
だから苦難を恐れない。失敗を怖がらない。
なぜならそこに得るべき的があることを知っているからです。
 
人は失敗からしか学べません。
でもそれは、他力で生きていることを受け入れた者だけが得られる学び、
なのだと思います。
 
さらに話は発展します。
 
「他力で生かされていることに気づいた人は、そのことに感謝し、報恩の
行動を取り始める。人のために生きようとする。自ら他力になろうとする
んですね」
 
「他力が他力を生み出して増幅する。まさに、他力スパイラルが起こりま
す。ここに人類発展の秘訣があるんだと思います」
 
「こういう考えかたは、この国には元々あったんだと思います。明治維新
で否定され、敗戦で抹殺されてしまいましたけどね……」
 
「結局自力で生きるということは、自分の力の及ぶ狭い範囲でしか責任を
持とうとしないことに等しい。そういう人が増えてしまった」
 
そして最後に、次のように結ばれました。
 
「私たちの行動で、世の中を変えていきましょう!
 
私は大きく頷き、実践を誓いました。





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ボードメンバープロフィール

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かめい ひでたか

1965年岐阜県生まれ。89年名南コンサルティングネットワーク入社。2001年より取締役。後継者育成や経営計画立案を得意分野とする。愛知近県の後継者を対象にした勉強会を各地で主宰するなど、「事業承継」をライフワークにしている。月刊ニュートップリーダー(L.)連載『事業承継の王道』など、執筆・講演活動も精力的に行なう。

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