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2011年09月30日(金)更新

会議を“必要善”にする、ということ

千年続く 会社をめざそう⑳
■会議を“必要善”にする、ということ■
 
 

会議はもともと必要悪です。なくてもよいのであればない方がよい。
なぜならば会議そのものは全く付加価値を生まない時間だからです。
 
しかし実際は、ちゃんと顔を突き合わせて話し合うことによってしか
得られない価値もあります。

会議そのものでは付加価値は産まなくとも、
付加価値業務の価値をより一層高めることができる可能性を秘めているのです。
 
その価値とは、
・わかっていたつもりだったが、実はわかっていなかったことに気付けた。
・知らなかった情報、気付かなかったアイディア、思いもよらなかった
素晴らしい考え方を手に入れることができた。
・自分自身の課題が鮮明になり、かつ解決策を見出すことができた。
・自分の使命は何で、具体的に何をすればよいのかが明確になった。
・組織として一枚岩の団結力を高めることができた。
などといったものです。
 
「必要なのに、ない方がよい」
 
会議を考える際には、まずこの原理原則を
きちんと認識する必要があると思います。
 
この両立のためには、いくつかの条件があります。
 
まず所要時間を決めること、そしてその時間を絶対に厳守することです。
これが崩れますと、無為な時間を延々と続けることになりかねません。
 
第二に、その場その場で結論を出し続けること。
何でもいいから結論を出す。
「それでは続きは次回に」などということをやっていますと、
結局、いつまで経っても結論が出ず、
何のために集まったのかさえわからなくなってしまいます。
 
この時間を守ることと結論を出すことを徹底的に訓練していきますと、
準備の仕方を変えざるを得なくなります。ここが大事です。

要するに、会議の充実度は、準備の段階でもう既に決まっているからです。
そして準備そのものが良いものになって来ますと、会議の活性度・充実度が高まってくる、
そういうものなのです。
 
第三に、これが一番重要なことなのですが、
会議は教育の場であるという認識を持つことです。

会議を実施した結果、上述のような価値が得られないといけません。
結果として出るのではなく、会議の主催者は、その価値を出すために会議をする、
という認識で運営をしなければなりません。
 
それができたとき、会議は、必要悪から“必要善”に変わるのです。




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2011年09月22日(木)更新

チャンスの糸をたぐりよせる、ということ

千年続く 会社をめざそう⑲
■チャンスの糸をたぐりよせる、ということ■


フランスの作家、フランソワ・ラブレーの言葉に、
「機会(チャンス)は前頭(まえがしら)だけに髪毛(かみのけ)があり、
後頭(うしろあたま)ははげている。もしこれに出あったら前髪を捕らえよ。
一度にがしたら、神様でもこれを捕らえることは出来ぬ」
というものがあるそうです。確かにその通りだと思います。
 
ただ、先日ある後継者の方とお話をしていて、ふと違和感を覚えました。
実はこの違和感、この方だけに限らず、
たまに頭をもたげてくることがあります。
やはり後継者の方の場合が多いのですが……。
 
この違和感がどこから来るのか、それは、
「チャンスは何もないところから突然に現れる」
というニュアンスだけが、ことさらにクローズアップされることが
多いからだと思います。
 
「だからそのチャンスが現れるまでは、待つしかない」
「……」
 
これが現役経営者、特に百戦錬磨の経営者になればなるほど、
捉え方が変わってきます。
 
先日出会ったベテラン経営者の言葉をご紹介しましょう。
 
「チャンスが突然現れるのではなく、元々目の前にぶら下がっていたチャンスが
ぼんやりと浮かび上がってくる。それがチャンスだと気付いたら、その時を捉え
てググッと引き寄せる。そうしないと、するりとわが手から逃げ失せる」
 
「もう既にそれがチャンスであることがはっきりわかる状態になってしまってい
たら、自分が今まで一生懸命、何年も掛けて温めてきたものを、後から来た奴が
のうのうと奪い取っていく。あたかも自分が一から作り上げたような顔をして…」
 
「チャンスを浮かび上がらせるためには、自らの信念を信じ切って、目の前のこ
とをやり抜くのみ」
 
「そしてそれが7割がた行けると思ったら、覚悟を以てトライする。それが大事」
 
このへんが、地に足付いた実績のある方と
そうでない方との差ではないかと感じます。
 
要するにチャンスとは、何もないところから掴み取るのではなく、
すでに繋がっているものを切らさないようにする、
という姿勢が大切なように思います。
 
そしてそのチャンスの糸は、やるべきことをやるたびに
太く、強くなっていくのだと思います。





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