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2012年08月29日(水)更新

お客様に寄り添う、ということ


千年続く 会社をめざそう㊶
■お客様に寄り添う、ということ■

 
 
先日、営業成績が伸び悩むA君から電話があり、
「どうしたら売れるようになるのでしょうか?」との
質問を受けました。
 
「売ろうとしていたら売れないよ。得る(うる)のはお客様で、
こちらは買ってもらうの」
 
「はぁ~」と不満とも不安ともつかない声のあと、
「どうしたら買ってもらえるか、教えてください」というA君に、
私は次のような話をしました。
 
「恋人がいるとするだろ。その恋人が、思い悩んでいる。そんな
時、どうする? いきなり『こうしたらどう?』なんて言わない
だろ。だって何に悩んでいるか、わからないんだから。だからま
ずは話を聴くよね?『どうしたの?』って」
 
「そうすると、少しずつ話をし始める。でもたいてい本人も頭の
中が整理されているわけではないから、脈略のない話がいろいろ
出てくる。そんな状態では、こちらもよくわからないから、『そ
れはどういうこと?』『なぜそうなったの?』『本当はどうした
いの?』って、いろんな角度から聴いていくよね。そうすると、
彼女も頭の中がだんだん整理されてくる」
 
「元々、悩んでいるのは彼女。だから答えはこちらにはなくって、
彼女の中にある。こちらができるのは、彼女の中にある答えを引
き出してあげることだけ。そしてそれを引き出すためには、よい
質問をすること」
 
「じゃあ、よい質問をするためには、どうしたらよいと思う? 
そう、本当に彼女のためを思って、彼女の悩みを解決してあげた
いと心から願って、自分のできる最大限のことをしてあげたいと
念願したら、勝手によい質問ができるものさ」
 
「そうこうしているうちに、彼女の悩みの原因がはっきりしてく
る。原因さえはっきりすれば、自分がしてあげられることもはっ
きりする。もし今の自分では解決してあげられないのであれば、
どうしたら力になってあげられるかを考え、実践すればよい」
 
「彼女をお客様に置き換えて、そういう気持ちでお客様に寄り添
っていく。そういう姿勢が大切じゃないかな?」

……と伝える私に、A君は今一つ煮え切らない声でしたが、
「わかりました」と言って電話を切りました。
 
その声のトーンに、
⟨もしかしかしたら、愚痴を聞いて欲しかっただけかもしれない⟩と、
A君の本音に寄り添えなかったのかもしれない自分を、
少し反省しました。
 
いずれにしても、お客様であっても、社員さんであっても、
お客様を親・兄弟や恋人・伴侶、我が子のように寄り添えば、
本人が気づいていなくても、今何が必要かが自ずと見えてくる。
そして、そのとき自分ができる最大限のことをやらせていただく──。
そこに真の信頼関係が生まれるものだと思います。
 
数日後、「今恋人はいないので、妹だったらと思って接してみました」と
嬉しそうに受注報告をしてくれたA君。
私の反省をよそに、自ら「得る」ことができたようです。



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2012年08月14日(火)更新

「やらせる」のではなく「やりたくさせる」ということ


千年続く 会社をめざそう㊵
■「やらせる」のではなく「やりたくさせる」ということ■

 
 

先日、ある後継者の集まる会合で、次のような話が出ました。
 
「今の私の最大の課題は、幹部を育てることです」
 
これは多くの後継者が犯す過ちです。後継者に幹部を育てることなどできません。
育てられる何ものももっていないからです。
 
後継者ができることは、自分自身が精一杯背伸びをして
不断に自己成長させていくことしかない。
 
私はよく人の上に立つ人には、次のように話をします。
 
「言葉にするときは目線を下げ、姿を見せるときは目一杯背伸びをすること」
 
ところが得てして人は、この逆をやってしまいます。

すなわち、
 
「言葉にするときは上から目線で、姿を見せなければならない時にはできないことの言い訳ばかり」
 
厳に戒めなければなりません。
 
ではなぜこのような姿勢が大切なのか?
それはご自身が逆の立場であれば、よく理解できるはずです。
 
人はどのような人に魅力を感じるのでしょうか?
「この人のために頑張ろう!」「この人についていこう!」と思わせる人には、
いくつかの共通があるように思います。それは──
 
・互いのことがよく分かり合えていると思える人
・自分のことを大切に思ってくれている(ことが分かる)人
・夢を与えてくれる人、または共有できる人
・その夢に向かって率先垂範、遮二無二がんばっている人
・ この人と一緒にいれば、必ずよい成果が挙げられると確信が持てる人
 
などなど。そしてこのような人こそが、
真に人を育てることができる人なのだと思うのです。
 
真のリーダーシップ力とは、「やらせる」力ではなく「やりたくさせる」力。
そのことに気づいた時、今自分が何をしなければならないのか、
自ずとわかってくるのだと思います。



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ボードメンバープロフィール

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かめい ひでたか

1965年岐阜県生まれ。89年名南コンサルティングネットワーク入社。2001年より取締役。後継者育成や経営計画立案を得意分野とする。愛知近県の後継者を対象にした勉強会を各地で主宰するなど、「事業承継」をライフワークにしている。月刊ニュートップリーダー(L.)連載『事業承継の王道』など、執筆・講演活動も精力的に行なう。

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