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2011年06月21日(火)更新

本当の強さ、ということ

千年続く 会社をめざそう⑬
■本当の強さ、ということ■



現在当社では、入社3年経過者面談というものを行っています。
文字通り、入社後3年を経過した社員を対象に人事部が面談をするというもの。
目的は、「石の上にも三年」がんばってくれた社員に対して、
これからの成長のために必要なアドバイスをすることです。
 
私がこの面談の担当になって今年で5年目になりますが、
多くの者が、共通して口にすることがあります。それは、
 
 「自分の強みが見つかりません」
 
それが自信喪失であったり、上司や会社への不平不満になっていたり、
ただ単なる逃げ口上だったりと、現われ方はさまざまですが・・・
 
入社して1年目は、何をやっているのかさっぱりわからない。
上司や先輩の言われるままに作業して、
「はい出来上がり」と言われても「えっ、終わったんですか?」といった状態。
 
2年目になると、やっと何をやっているのか、その意味がわかり始め、
自分の業務は段取りもつけられるようになる。
 
3年目になると、自分のみならず、周囲もコントロールできるようになり、
仕事を能動的にこなせるようになる。
 
そんな状況で迎える4年目。でも「自分らしさ」や
「自分にしかできないこと」までには至っていない。
 
 「3年がんばれば、もっと凄い自分になっていると思っていました」
 
これは素直な気持ちだと思います。
 
そんな彼らに私が伝えるのは、
 
「二十代は川下り。今はただただ目の前の仕事に没入しなさい。答えは必ず見つかる。」
 
どうも最近の採用サイトの弊害か、「やりがいのある仕事」だとか、
「自分に合った仕事」だとかを求める(求めさせられる)傾向にあるように思います。
正直なところ、そんな仕事はこの世の中にはない。
「やりがいを持って仕事をする」「仕事に選んでもらえる自分になる」しかないのです。
そういう姿勢で働いて初めて「やりがい」だとか
「自分にしかできない仕事」だとかが見つかるもの。
 
「あなたが憧れる先輩達がみんな通ってきた道。信じて精進しなさい」
 
このような話をして、どのような反応を示すと思いますか? 
ほぼ100%、「気持ちが楽になりました」と、爽やかな顔をして帰っていきます。
一見まともそうに見える“常識”を勝手に作り出し、多くの者を不幸にしているこの社会。
少々憤りを感じるところです。
 
一方で私は、次のようなことも伝えています。
 
「弱い人間であることはよいことだ。
弱いからわかることがある。弱くないとわからないことがある。
だから、気落ちすることがあっても、苦にすることはない。
逆に、そこから何を学ぶべきかを考えなさい」
 
「ただ、放置してはいけない。
弱い自分がいることを喜んで、楽しみながらその弱さを克服していこう!」
 
あるがままを受け入れる、そういうことが本当の強さだと思います。
 





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