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2011年09月22日(木)更新

チャンスの糸をたぐりよせる、ということ

千年続く 会社をめざそう⑲
■チャンスの糸をたぐりよせる、ということ■


フランスの作家、フランソワ・ラブレーの言葉に、
「機会(チャンス)は前頭(まえがしら)だけに髪毛(かみのけ)があり、
後頭(うしろあたま)ははげている。もしこれに出あったら前髪を捕らえよ。
一度にがしたら、神様でもこれを捕らえることは出来ぬ」
というものがあるそうです。確かにその通りだと思います。
 
ただ、先日ある後継者の方とお話をしていて、ふと違和感を覚えました。
実はこの違和感、この方だけに限らず、
たまに頭をもたげてくることがあります。
やはり後継者の方の場合が多いのですが……。
 
この違和感がどこから来るのか、それは、
「チャンスは何もないところから突然に現れる」
というニュアンスだけが、ことさらにクローズアップされることが
多いからだと思います。
 
「だからそのチャンスが現れるまでは、待つしかない」
「……」
 
これが現役経営者、特に百戦錬磨の経営者になればなるほど、
捉え方が変わってきます。
 
先日出会ったベテラン経営者の言葉をご紹介しましょう。
 
「チャンスが突然現れるのではなく、元々目の前にぶら下がっていたチャンスが
ぼんやりと浮かび上がってくる。それがチャンスだと気付いたら、その時を捉え
てググッと引き寄せる。そうしないと、するりとわが手から逃げ失せる」
 
「もう既にそれがチャンスであることがはっきりわかる状態になってしまってい
たら、自分が今まで一生懸命、何年も掛けて温めてきたものを、後から来た奴が
のうのうと奪い取っていく。あたかも自分が一から作り上げたような顔をして…」
 
「チャンスを浮かび上がらせるためには、自らの信念を信じ切って、目の前のこ
とをやり抜くのみ」
 
「そしてそれが7割がた行けると思ったら、覚悟を以てトライする。それが大事」
 
このへんが、地に足付いた実績のある方と
そうでない方との差ではないかと感じます。
 
要するにチャンスとは、何もないところから掴み取るのではなく、
すでに繋がっているものを切らさないようにする、
という姿勢が大切なように思います。
 
そしてそのチャンスの糸は、やるべきことをやるたびに
太く、強くなっていくのだと思います。





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