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2012年04月10日(火)更新

本当の知恵、ということ


千年続く 会社をめざそう㉜
■本当の知恵、ということ■



 
先日、ある社長様から「名南さんの研修はよい」とのお褒めの言葉をいただきました。
その理由をお尋ねすると「実践が伴うからだ」とおっしゃいます。
 
私どもの研修では、終了後に「チャレンジングシート」なるものを書いていただき、
その研修で学んだことの振り返りと、その学びから
実践を決意した項目を明らかにするようにしています。
 
また複数の講座が何か月かにわたって
ワンセットになっているようなシリーズ研修では、
毎講、前回記載したチャレンジング項目の実践状況を
講座内で報告いただいています。

これによって、実践の決意を確たるものにするとともに、
自分一人では経験できないことを他者の発表によって知ることができ、
生きた事例の学びとなります。
 
私どもの創業者・佐藤澄男は、
「成長する人間の共通項は“勉強好き”“素直さ”“プラス発想”」と口にし、
たとえば新聞を13紙取って毎日すべてに目を通すなど、自ら実践をしておりました。
 
その佐藤は常々こう言っていました。

「知識は仕入れるだけでは意味がない。それを使って経験して、
知恵にして初めて生きたものになる。経験せよ」

チャレンジングシートの記載と、その後の実践報告は、
まさにその考えを踏襲するための仕掛けです。
 
残念ながら、なかには毎度毎度、
「やろうと思っていたけど、実践できなかった」と口にする人がいます。
朗々と「できない理由」を述べる彼に対して、
周囲の視線がだんだん冷たくなっていくのを止めることはできません。
実践を伴わない者は信頼を失う、これもまた事実のようです。
 
そのような人に対して私は「つべこべ言わずに実践せよ」と厳しく迫ります。
佐藤もいうように、私も「実践しなければ何もならない」と、
これまでのわずかな人生経験を通じて痛感しているからです。
 
逆に、人は何かしなければならなくなったとき、過去に仕入れておいた
知識の扉がにわかに開き、自らの実体験と組み合わさり、
知恵となって湧き出してくるものだと思います。
知恵というものは、実体験がないと生まれないのです。
 
またその知恵もただ頭で考えているだけではだめで、
発揮しなければなりません。
その発揮がまた、実体験となり、生きた事例を生み出していくからです。
 
仕入れ(学び)て、製造(体験)して、販売(発揮)して、
初めてビジネスは成り立つのと同じです。
 
一方、トップの実践は、ただそれだけにとどまりません。
 
当社の創業者は、社内の誰もが認める当社一の勉強好きでした。
だから勉強することがきわめて当然のこととして
私どもに身についたのだと思います。
トップの実践は、単に自らの知恵の増殖のみならず、
社員教育の最大の成功要因になるものです。
 
実践を通じて自ら範を示す──。
トップに最も必要な要素だと思います。
 


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