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2012年04月25日(水)更新

人を巻き込む、ということ

千年続く 会社をつくろう㉝
■人を巻き込む、ということ■

 
 
人を巻き込むというのは本当に難しいことです。
本人は決して面従腹背しているわけではなくとも、
なかなかこちらの思う通りとはいきません。
 
人を動かすには、いくつかの条件があるようです。
私は最低三つ必要であると思っています。
 
一つは、こちらの言っていることが「正しい」ことだと
わかってもらうこと。
間違っていると感じたら耳も貸してもらえません。
 
二つ目に、当人が「できる」ことであること。
人は自信のあることであればチャレンジングに行動しますが、
そうでなければできるだけ避けようとするもの。
少なくとも「私ならできそうだ」と思ってもらわなければいけません。
 
最後に、「やりたい!」と思ってもらうこと。
「感動」とは「感じて動く」と書きますが、まさにこの状態です。

結局のところ、人間は好き嫌いで判断する生き物。
好きなことであれば、どんなにできない条件が揃っていてもやろうとしますし、
いつまでもやり続けようとする。
それほどに「やりたい!」と思ってもらえれば最高ですね。
 
しかし、どれだけ上記の条件が揃っていたとしても、
誰が言っても同じ効果が得られるかというとそうはいきません。
 
人は「誰に言われたか?」によって自ずと動きが変わるもの。
 
だからリーダーは常に自分を磨き、
「あなたがおっしゃることなら何でもします!」と
言ってもらえるほどの人徳を積んでいかなければならないのです。
 
逆に言えば、それほどの人徳があれば、
たとえ間違っていると感じても、たとえいまはできないことであっても、
たとえこれまでは好きではなかったことであろうとも、
やりとげようとする──それが人というものではないでしょうか。
 
そこまでの人徳のない私としては、やはり先の三つの条件を常に意識し、
実践し、上手くいかなければ工夫をし、何度も繰り返し、
繰り返ししていくうちに動いてもらえるようにする、そういう姿勢が必要なように思います。
もちろん、人徳を高めるための努力を怠ることなく実践しつつ……ですが。
 
そして、もう一つ大切なことがあります。
それは、こちらの意図が正しく伝わっているか、ということ。
 
相手は一生懸命こちらの意図を汲みとって行動しようとしているけれども、
正しく伝わっていないからできていないように見える。
このパターンは意外に多いと思います。
 
この問題の解決には、やはり「繰り返し、繰り返し」
「手を変え品を変え」「ことあるごとに」しかないと思います。
 
もともと価値観も、生い立ちも、性格も違う人間同士で、
簡単に伝わると思うこと自体がナンセンスです。
 
「できて当たり前、できなければバカヤロー!」から
「できなくて当たり前、できてくれたらありがとう!」に切り替える。
 
できるようになるまで忍耐強く我慢する。
 
わが子に対してであればできるこのような姿勢が、
実は一番大切ではないかと思います。




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