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自分の幸せを人にうつす、ということ

投稿日時:2010/12/27(月) 13:40rss

千年続く 会社をめざそう②
■自分の幸せを人にうつす、ということ■


「私は幸せではないけど、部下は幸せにしてやりたいんです。」

これは先日招かれたある会社の忘年会で、一人の管理者の口から出た言葉です。彼自身、以前から上司との関係に大変悩んでいたそうです。

この言葉を聴いて、皆さんはどう思われましたか。「いい管理者ですね」「部下思いの方ですね」などと、多くの方が好意的に受け止められるようですが、私はそうは思いません。全くナンセンスで、的外れで、自分勝手な言葉だと思います。

そもそも、自らが幸せを感じられない人間に人を幸せにすることができるのでしょうか。

想像してみて下さい。上級上司と仲が悪く、何かにつけて不平不満を口にし、愚痴ぼやく直属上司の姿を見て、部下は「この上司だったら、私を幸せにしてくれるに違いない」などと思うでしょうか。あり得ません。まったくナンセンスです。

本当に部下を幸せにしたいのであれば、まず自分自身が幸せになること、その幸せを伝染させて周りを幸せにすること、これが本筋だと思います。不幸のオーラを発する上司と、幸せのオーラを発する上司、どちらが部下を幸せにできるか、それは火を見るより明らかです。自分が不幸せな状態で、他人を幸せにしようなんて、身の程知らずというものです。

今の状況の中に幸せを見つけられない人は、どんなに好条件が揃っていても、幸せを見つけることはできないでしょう。人は満たされないことを常とします。この世の中に、最初から幸せな状態なんてありません。いかなる状況の中であっても幸せを感じることができるかどうか、ここが大切です。

よく考えてみれば、高い評価をしてくれた人がいるからその立場にある。周りの支えがあるから力不足でもその役割を果たすことができる。そして何より幸せにしたいと思える人がいてくれる。これほどの幸せがあるでしょうか。

そのことに幸せを感じられない自分勝手な人に、人を幸せにすることなんてできません。

今の状況の中で幸せを感じることのできる感性──これこそが人を幸せにする原点だと思います。



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ボードメンバープロフィール

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かめい ひでたか

1965年岐阜県生まれ。89年名南コンサルティングネットワーク入社。2001年より取締役。後継者育成や経営計画立案を得意分野とする。愛知近県の後継者を対象にした勉強会を各地で主宰するなど、「事業承継」をライフワークにしている。月刊ニュートップリーダー(L.)連載『事業承継の王道』など、執筆・講演活動も精力的に行なう。

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