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2011年06月28日(火)更新

生まれ変わる、ということ

千年続く 会社をめざそう⑭
■生まれ変わる、ということ■


人間は、毎日毎日生まれ変わっている、といわれます。
今日の自分は昨日の自分ではない、全くの別人なのだと・・・なかなか実感できませんね。
 
一方で、人間が一瞬にして劇的に変ることがある、ということについては、その通りだと思います。
現に私は、多くの「激変者」に出会って来ました。
みなさんも一人や二人、お会いになったことがあるのではないでしょうか?
 
・今まで親に文句ばっかり言っていた人が、親の本当の愛を知って・・・
・今まで何に対してもヤル気を見せなかった人が、自分の生まれてきた意味を感じて・・・
・今まで人の所為にばかりしていた人が、自分の過ちを受け入れて・・・
 
いろんな「激変」がありますが、どうもそこには共通点があるようです。
それは人との出会いや出来事といった“気付き”を得られる場がある、ということです。
それも、「ここでそれがあるか!?」というくらい、実にタイミングよく、見事に目の前に現われる。
 
国民教育の父といわれる故・森信三先生が
 
「人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢う。しかも一瞬早すぎず、一瞬遅すぎないときに」
 
とおっしゃっていますが、まさにその通りだと思います。
 
ただその“場”だけがあれば人間変れるかというと、然に非ず。
そこには自ら「変るんだ!」という強い、明確な意思が伴わなければならないようです。
たしかに変ることができない人は、「分かってはいるんだが・・・」を枕詞に
さまざまな理由を挙げ連ねて、「変れない」自分を正当化するものです。
 
少し視点は異なりますが、私は「続ける」ということについて、次のような話をします。
 
「やめる理由は五万とある。暑いだ、寒いだ、辛いだ、キツイだ、
自分にあっていないだ、やりがいが見つからないだ・・・挙げだしたらきりがない。
続ける理由はただ一つ、自分がやると決めたことだから・・・」
 
「やめる」を「変れない」に、「続ける」を「変える」に置き換えていただければ・・・「続ける」ことも「変る」ことも、根本は一緒。この一点に尽きると思います。
 
人生には転機があります。イベントがあります。
それはまさに気付きを得ることができる最良の場。
 
そのときこれを逃さず、気合一発、勇気と覚悟をもって、本気になって生まれ変わる。
生まれ変わりには、そういうものが大切なのだと思います。



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2011年06月21日(火)更新

本当の強さ、ということ

千年続く 会社をめざそう⑬
■本当の強さ、ということ■



現在当社では、入社3年経過者面談というものを行っています。
文字通り、入社後3年を経過した社員を対象に人事部が面談をするというもの。
目的は、「石の上にも三年」がんばってくれた社員に対して、
これからの成長のために必要なアドバイスをすることです。
 
私がこの面談の担当になって今年で5年目になりますが、
多くの者が、共通して口にすることがあります。それは、
 
 「自分の強みが見つかりません」
 
それが自信喪失であったり、上司や会社への不平不満になっていたり、
ただ単なる逃げ口上だったりと、現われ方はさまざまですが・・・
 
入社して1年目は、何をやっているのかさっぱりわからない。
上司や先輩の言われるままに作業して、
「はい出来上がり」と言われても「えっ、終わったんですか?」といった状態。
 
2年目になると、やっと何をやっているのか、その意味がわかり始め、
自分の業務は段取りもつけられるようになる。
 
3年目になると、自分のみならず、周囲もコントロールできるようになり、
仕事を能動的にこなせるようになる。
 
そんな状況で迎える4年目。でも「自分らしさ」や
「自分にしかできないこと」までには至っていない。
 
 「3年がんばれば、もっと凄い自分になっていると思っていました」
 
これは素直な気持ちだと思います。
 
そんな彼らに私が伝えるのは、
 
「二十代は川下り。今はただただ目の前の仕事に没入しなさい。答えは必ず見つかる。」
 
どうも最近の採用サイトの弊害か、「やりがいのある仕事」だとか、
「自分に合った仕事」だとかを求める(求めさせられる)傾向にあるように思います。
正直なところ、そんな仕事はこの世の中にはない。
「やりがいを持って仕事をする」「仕事に選んでもらえる自分になる」しかないのです。
そういう姿勢で働いて初めて「やりがい」だとか
「自分にしかできない仕事」だとかが見つかるもの。
 
「あなたが憧れる先輩達がみんな通ってきた道。信じて精進しなさい」
 
このような話をして、どのような反応を示すと思いますか? 
ほぼ100%、「気持ちが楽になりました」と、爽やかな顔をして帰っていきます。
一見まともそうに見える“常識”を勝手に作り出し、多くの者を不幸にしているこの社会。
少々憤りを感じるところです。
 
一方で私は、次のようなことも伝えています。
 
「弱い人間であることはよいことだ。
弱いからわかることがある。弱くないとわからないことがある。
だから、気落ちすることがあっても、苦にすることはない。
逆に、そこから何を学ぶべきかを考えなさい」
 
「ただ、放置してはいけない。
弱い自分がいることを喜んで、楽しみながらその弱さを克服していこう!」
 
あるがままを受け入れる、そういうことが本当の強さだと思います。
 





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