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2012年07月24日(火)更新

不安を取り除く、ということ


千年続く 会社をめざそう㊴
■不安を取り除く、ということ■

 
 

人はときに「不安」になることがあります。
私はその不安の原因には、概ね三つあるように思います。
 
第一に、やるべきことが見当たらない、見つけ出せない不安。
第二に、やるべきことはわかっているのにできずにいる不安。
第三に、やるべきことをやっているはずなのになかなか成果が表れてこない不安です。
 
同じ不安であっても原因が違うのですから、対処法ももちろん変わってきます。
 
第一の不安に対しては、黙って待っていて答えが見つかるはずはありませんから、
もがきにもがいて、その時々に正しいと思えることをやりながら
答えが見つかるのを待つ、という姿勢になります。
 
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますが、
この不安を解消するためには、
「天命(答えは必ず見つかること)を信じて人事を尽くす」
という姿勢が正しいように思います。
 
第二の不安については、その状態を放置できてしまっている原因を探る必要があります。
「楽をしたい」「苦労を避けたい」「要らぬいざこざを招きたくない」など、その原因はさまざまです。
 
正直なところ、放置できるのなら、それはそれで構わないと思います。
ただ「放置することを積極的に選択している」ということを
きちんと受け止める必要がある。
そうでない人は、必ず周囲に悪しき影響を及ぼすものです。
成果が上がらないことに対して人を責める、
自己を防衛するために要らぬことをする、よくない雰囲気をまき散らす……。
そのことをきちんと認識しておかなければなりません。
 
第三の不安は、これはもう、信ずるところを続けるしかない。
夜が明ければ朝が来る、冬が去れば春が来る。
 
ただし、どれだけ「これが正しい」と信じていても、
「もしかすると何か欠けていることがあるのかもしれない」という疑問は
常に持ち続ける必要がある。
その疑問を心に留めながらも、その答えが出ないのであれば、
信ずるところを全うするしかない。
 
いずれにしろ、不安になるのは、単に準備が足りないだけ。
「これ以上はない」と思える準備ができていれば、不安は覚悟に変わる。
そういうことだと思います。



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2012年07月17日(火)更新

実は過去は変えられる、ということ

千年続く 会社をめざそう㊳
■実は過去は変えられる、ということ■




 
先日、目からウロコの話をうかがいました。
 
私はこれまで「過去と他人は変えられない。変えることができるのは未来と自分」と
お伝えしてきました。

過去の出来事にうじうじせず、変わらない周囲を恨むことなく、
自分と未来を輝かしいものにする、そういう考えの大切さを示すものです。
 
しかしある方から次のようにお聞きしました。
 
「未来は変えられないが、過去は変えることができる」
 
この言葉を聞いた時には、正直、耳を疑いました。
「表現の仕方を間違えられたのだろう」と思ったのです。
 
ところがその方は大真面目で、「言い間違えたわけではないですよ」とまで念を押します。
 その意味をおたずねしたところ、次のような回答が返ってきました。
 
「未来はまだ起こってないのだから変えることはできません。
また過去に起こってしまったことそのものは変えられません。
でもその出来事の捉え方は変えることができます。だから過去は
変えられるのです。」
 
なるほど、と唸るしかありませんでした。
 
人間はある現象に出会うと、一定の感情が生じます。
しかし同じ現象に出会ってもそれによって生まれる感情は万人共通ではない。
たとえば、叱られたときに生ずる感情は、怒りであったり、
悲しみであったり、感謝であったりする。
同じ人でもその立場や状況、また精神状態によっても違ってきます。
 
なぜこれほどの違いを生ずるのか。
それは起こった現象に対する「捉え方」にその原因があります。
 
「叱られた」という現象に対して、「俺だって一生懸命やっている」と
捉えれば「腹が立つ」。
「また叱られちゃった。嫌われちゃうかなぁ」と捉えれば「悲しい」。
「この人は私を育てようとして、
勇気を持って叱ってくれている」と捉えれば「ありがたい!」。
 
そしてどの捉え方が自分を、そして周りを“幸せ”にできるか? 
これは火を見るより明らかです。
 
以前、どこかの国のトップが
「最小不幸社会の実現をめざす」などという言葉を使いましたが、
全くナンセンスです。

今に幸せを感じることができなかったら、
いつまで経っても幸せになることなどできない。
 
「過去と他人は変えられない。変えることができるのは未来と自分」
 
これからはこの言葉と共に、
 
「過去の捉え方を変えることで、人はより一層幸せになることができる」
 
という一言を加えようと思います。
 
 


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