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バカになる、ということ

投稿日時:2012/01/26(木) 09:41rss

千年続く 会社をめざそう㉗
■バカになる、ということ■


 
「優秀な経営者とは、どのような人ですか?」
 
後継者から受ける質問の中でも、かなりのウェイトを占めるものです。
私は即座に反します。「成果を上げることができる人です」と。
 
すると必ず返ってくる質問は
「経営者が挙げるべき成果とはなんですか?」というもの。
 
これに対しても即座に、「お金を残せる人です」と答えます。
 
「お金を残す」何だか守銭奴のようですね。
もちろん、お金を増やすことが目的ということではありません。
あくまでもバロメーターです。
 
私は「売上高はご奉仕高、キャッシュは誠実のバロメーター」だと思っています。
誠実な商いをして、お金が残らないなんてあり得ない。
もし誠心誠意を尽くしてお金が残せないとすれば、
その心や気持ちを表す方法・手段がおかしい。
まさに「誠の実」が伴っていないのだと思うのです。
 
特に後継者の方には、次のような考えを
きちんと持っていただきたいと思います。
 
それは、親・先祖からいくら預かって、そのうちいかほど使わせていただいて、
それを活かすことで自分の代でどれだけ産み出して、
結果として、先代から預かったものにどれだけプラスして次代に渡すことができたか。
それこそが自代の成果であり、そのバロメーターである、ということです。
 
さらに質問は続きます。
「ではどうやったら成果を出せる経営者になれるのですか?」
 
残念ながらこれには正解はありません。
ただ、成果を上げていらっしゃる経営者を眺めてみると、
いくつかの共通点があることに気づきます。
特に若き後継者に学んでいただきたいのは、「バカになれ」ということ。
 
第一に、商いに対して、バカがつくほどド真剣になれ、ということ。
これは説明はいりませんね。
 
第二に、人に対してバカになれ、ということ。
誠心誠意商いすればするほど、当然に人と衝突することになります。
先代、社員さん、取引先さん・・・、立場が違った者同士が真剣になれば、衝突は避けられない。
 
しかしいくら理屈で切り返しても残るのはシコリだけ。
その時に「バカになる」。いったん受け入れる、ということですね。
捨てる神あれば拾う神あり、
その誠実さが、新たなものを産みだすものだと思います。
 
人がついてくるトップは、どこか可愛らしいところがある、
と感じるのは私だけでしょうか?
 
バカの効用、是非考えていただきたいと思います。
  



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ボードメンバープロフィール

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かめい ひでたか

1965年岐阜県生まれ。89年名南コンサルティングネットワーク入社。2001年より取締役。後継者育成や経営計画立案を得意分野とする。愛知近県の後継者を対象にした勉強会を各地で主宰するなど、「事業承継」をライフワークにしている。月刊ニュートップリーダー(L.)連載『事業承継の王道』など、執筆・講演活動も精力的に行なう。

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